聞書第三 〇三四八 太閤秀吉「龍造寺は九州の槍突」と違法の道押を黙認す 原文 一、太閤秀吉公薩摩入りの時、軍奉行衆より、先陣龍造寺道押軍法に背き不埒に御座候間、行列直し申すべき由申上げられ候。太閤聞召され、「軍に法はなし、敵に勝つを軍法とす。龍造寺は九州の槍突也、あの通りにて仕覺あるべし。なまじひなる事をしたらば恥をかくべし。」と御叱りにて候由。
聞書第三 〇三四八 太閤秀吉「龍造寺は九州の槍突」と違法の道押を黙認す 現代語訳 一、太閤秀吉公が薩摩入りの時、軍奉行衆から、先陣龍造寺が道押軍法に背き不埒であるので、行列し直す様に申上げられた。太閤がそれを聞き、「軍に法はなく、敵に勝つを軍法とする。龍造寺は九州の槍突きであり、あの通りでやり方に覚えがあるのだろう。なまじ意見などしたら恥をかくぞ。」と御叱りになったそうな。