聞書第二 〇二九五 山本前神右衛門、常朝七歳の時より武者草鞋で寺參りさす 原文 一、前神右衛門申附けにて、幼稚の時分、市風にふかせ、人馴れ申す爲とて、唐人町出橋に、節々遣わし候由。五歳より各々様方へ名代に出し申し候。七歳より、がんぢうのためとて、武者草鞋をふませ、先祖の寺參り仕らせ候由。
聞書第二 〇二九五 山本前神右衛門、常朝七歳の時より武者草鞋で寺參りさす 現代語訳 一、山本神右衛門の申し付けで、山本常朝が幼稚の時分、市中の風に吹かせて、人になれさせる為と、唐人町出橋に、時々使いに出したそうだ。五歳から各々様方へ名代に出した。七歳から、頑丈にする為と、武者草鞋をはかせて、先祖の寺参りをさせたそうだ。