聞書第一 〇一九七 縁組に金銀沙汰は浅ましい、理を附けては道は立たぬ 原文 一、養子縁組に金銀の沙汰ばかりにて、氏素性のわけもなくなり行き、あさましき事也。斯様の事も先ず不義ながら今日が立たぬと理を附けて、不義を行ふは重々の悪行也。理を附けては道は立たざる也。
聞書第一 〇一九七 縁組に金銀沙汰は浅ましい、理を附けては道は立たぬ 現代語訳 一、養子縁組は金銭沙汰ばかりで、氏素性の別け隔てもなく成り行き、浅ましい事だ。この様な事もまず不義ではあるが今日の生活が成り行かないなどと言って、不義を行うのは重い悪行だ。理屈をつけては、道を立てることはできない。