聞書第一 〇一六六 爲になる話を聞く人がない、一ぱいに話すと囘される 原文 一、よき人は無きものにて候。功になる話を聞く人さへなし。まして修行する人はなし。此の前より方々にて數人出會い申し候に、皆加減して話し申し候。一ぱいを話し候はばきらし申さるべく候。
聞書第一 〇一六六 爲になる話を聞く人がない、一ぱいに話すと囘される 現代語訳 一、よき人はいない。為になる話を聞こうと思える人さえいない。まして修行したいと思うひともいない。この前から方々で数人に出会ったが、皆加減して話している。めいいっぱい話す人は、煙たがられてしまうからだ。