聞書第一 〇一六二 戰場では人に先を越させるな、死骸は敵に向くやうに 原文 一、戰場にては、人に先を越されじと思ひ、敵陣を打破り度しとのみ心掛くる時、人におくれず、心氣たけくなり、武勇を顕す由、古老申し傳へ候也。又討死したる時、敵方に死骸向きて居るやうにと覺悟すべき也。
聞書第一 〇一六二 戰場では人に先を越させるな、死骸は敵に向くやうに 現代語訳 一、戦場では、人にさきを越されない様にと思い、敵陣を打ち破ることだけを心がける時、人に後れを取らず、心が勇猛になり、武勇を表すと、古老も伝えている。また、討死した時は、死骸が敵方に向いているようにと覚悟すべきだ。