聞書第一 〇一六一 常に武勇の人に乗越えんと心掛け、何某に劣るまじと思へ 原文 一、一門同組に介錯捕物などと武士道にかゝりたる事ある時、我に續く者なきやうに、平生覺悟して置けば、自然の時、人の目にもかゝるもの也。常に、武勇の人に乗越えんと心掛け、何某に劣るまじきと思ひて、勇氣を修すべき也。
聞書第一 〇一六一 常に武勇の人に乗越えんと心掛け、何某に劣るまじと思へ 現代語訳 一、一門同組に、介錯や捕り物など武士道に関わりのある事が起こったとき、時分に続くものが無い様に、普段から覚悟して置けば、大事の時、人目に留まるものだ。常に武勇のある人を乗り越えようと心掛け、何某に劣るものかと思って、勇気を身に着けるべきだ。