聞書第一 〇一五九 奉公人は唯奉公に好きたるがよし、心ならず仕損ずるは戰死同然 原文 一、奉公人は唯奉公にすきたるがよき也。又大役などを危き事と思ひ、引取りたがるは迯尻、すくたれ者也。其の役に指されて、心ならず仕損ずるは、虎口の討死同然也。
聞書第一 〇一五九 奉公人は唯奉公に好きたるがよし、心ならず仕損ずるは戰死同然 現代語訳 一、奉公人は、ただ奉公を好めばよい。また、大役などを危ないと思い、役に就きたがらないのは逃げ腰で、卑怯者だ。その役に指名されて、心ならずも仕損じてしまっても、それは戦死したのと同じことだ。