聞書第一 〇一四六 藝能は上手な人は只一偏に貧著する爲で何の役にも立たぬ 原文 一、藝能に上手といわるゝ人は、馬鹿風の者也。これは、唯一偏に貧著する愚痴ゆゑ、餘念なくて上手になる也。何の役にもたゝぬもの也。
聞書第一 〇一四六 藝能は上手な人は只一偏に貧著する爲で何の役にも立たぬ 現代語訳 一、藝能が上手だと言われる人は、馬鹿っぽい者だ。これは、ただ一つの事に偏って頓着する愚かで恥かしい癖のために、余念なく上手になるからだ。何の役にも立たない。