聞書第一 〇一三〇 部下には平生にも言葉をよくして勵ませ、兎角一言が大事 原文 一、義經軍歌に、「大將は人に言葉を能く掛けよ。」とあり。組被官にても自然の時は申すに及ばず、平生にも、「さても能く仕たり、爰を一つ働き候へ、曲者かな。」と申し候時、身命を惜しまぬもの也。兎角一言が大事のもの也。
聞書第一 〇一三〇 部下には平生にも言葉をよくして勵ませ、兎角一言が大事 現代語訳 一、義経の軍歌に、「大将は人に言葉をよく掛けろ。」とある。組被官でも、大事の時は言うに及ばず、普段からも、「さてよくやった、ここをもう一つ働いてくれ、そうすれば剛の者だ。」と言われたら、身命を惜しまぬものだ。とにかく、一言が大事だ。