聞書第一 〇一二七 七度浪人せねば誠の奉公人ではない、人は起上り人形の様に 原文 一、浪人などして取亂すは沙汰の限り也。勝茂公御代の衆は、「七度浪人せねば誠の奉公人にてなし。七轉び八起き。」と口附けに申し候由。成富兵庫など七度浪人の由。起上り人形の様に合點するべき也。主人も試みに仰付けられるゝ事あるべし。
聞書第一 〇一二七 七度浪人せねば誠の奉公人ではない、人は起上り人形の様に 現代語訳 一、浪人などをして取り乱すのは沙汰が下ったときまでだ。勝茂公の代の衆は、「七度浪人しないのは誠の奉公人ではない。七転び八起き。」と口を付いて言った。成富兵庫などは七度浪人したとの事。起上り人形の様に理解するべきだ。主人も試みで仰せ付けられることがあるだろう。