聞書第一 〇一〇一 お抱者には心得が要る、御譜代の者は主君の御爲を思ふ 原文 一、お抱者には心得あるべき事也。器量を顯はし、御用に立ち、名を揚げ、子孫の爲になる事をするもの也。子孫にも多分此の風移るもの也。御譜代の者は、科は我が身に引き受け、主君の御爲になり候様にと思ふ所あり。何某三家出入の時の諫言の様なる事也。
聞書第一 〇一〇一 お抱者には心得が要る、御譜代の者は主君の御爲を思ふ 現代語訳 一、お抱え者には心得得るべき事がある。器量を表し、御用に立ち、名を上げ、子孫の為になる事をするものだ。子孫にも多分にこの風が受け継がれていく。譜代の者は、罪は自分の身に引き受け、主君の為になろうと思う所がある。何某が御三家出入りの時に諫言した様な事だ。