聞書第一 〇〇八四 取手は下になると負けるはじめに勝つが始終の勝ち 原文 一、鐡山老後に申し候は、「取手は相撲には違ひ、一旦下になりても、後に勝ちさへすれば濟む事と心得罷在り候。近年存當り候は、一旦下になりて居る時、若し誰ぞ取りさかへ候はゞ負けになるべし。始めに勝つが始終の勝ち也。」と申され候由。
聞書第一 〇〇八四 取手は下になると負けるはじめに勝つが始終の勝ち 現代語訳 一、鐡山が老後に、「取手は相撲と違い、一旦下になっても、後に勝ちさえすれば済む事と心得ていた。しかし、近年思い当った事は、一旦下になっているとき、もし誰か取り違えたら、負けになる。始めに勝が終始の勝ちである。」と話した。