聞書第一 〇〇七二 學問には過失が出來る、一行ひを見ても我が非を知る爲にせよ 原文 一、學問はよき事なれども、多分、失出來るもの也。江南和尚の禁めの通り也。一行ひ在る者を見ても、我が心の非を知るべき爲にすれば、其の儘用に立つ也。然れども斯様には成り兼ねぬるもの也。大方見解が高くなり、理好きに成る也。
聞書第一 〇〇七二 學問には過失が出來る、一行ひを見ても我が非を知る爲にせよ 現代語訳 一、学問をすることはよい事だが、多くの場合は過失ができる。江南和尚の戒めの通りだ。実績のあるものを見ても、自分の心の非を知るためにすれば、そのまま役に立つ。しかし、そのようには成りかねるものだ。だいたいは、見解が高くなって、頭でっかちになる。