聞書第一 〇〇五一 中野數馬、科人詮議の時相當の罪科より一段づゝ輕く申し出づ 原文 一、中野數馬は科人御詮議の時、相當の科一段づゝ輕く申し出で候。一代一ふりの秘蔵の智慧にて候。其の頃は、數人の出座に、數馬一人ならだは口を披き申したる人これなく候。口明け故二十五日殿と申し候由。
聞書第一 〇〇五一 中野數馬、科人詮議の時相當の罪科より一段づゝ輕く申し出づ 現代語訳 一、中野数馬は罪人の詮議の時、相当する刑を一段ずつ軽く求刑した。一世一代の秘蔵の知恵である。その頃は、数人で詮議していたが、数馬の他には第一声を上げる人が居なかった。口明けをするので、二十五日殿と呼ばれた。