聞書第一 〇〇三〇 若殿様の草紙讀み、「聞き手がすくなくなれば讀みにくい」 原文 一、海音和尚の前にて草紙御讀み候が、「小物共小僧達皆參り聞かれ候へ、聞き手が少なくなれば讀みにくし。」と御申し候。和尚感心、小僧共に「何事もあの氣ぞ」と申し候也。
聞書第一 〇〇三〇 若殿様の草紙讀み、「聞き手がすくなくなれば讀みにくい」 現代語訳 一、海音和尚の前で草紙を読んだ者が、「小共も小僧達も皆こっちへ来て聞いておくれ、聞き手が少なければ読みにくい。」と言った。和尚は感心して、小僧共に「何事もあの意気だぞ。」と言った。