聞書第一 〇〇二九 事にあぐまぬが武士、字は紙一ぱいに一字、書き破ると思うて書け 原文 一、彌三郎へ色紙を書かせ、「紙一ぱいに一字書くと思ひ、紙を書き破り候と思うて書くべし。よしあしはそれしやの仕事也。武士はあぐまぬ一種にて濟む也。」とて染筆也。
聞書第一 〇〇二九 事にあぐまぬが武士、字は紙一ぱいに一字、書き破ると思うて書け 現代語訳 一、彌三郎へ色紙を書かせ、「紙いっぱいに一字書くと思って、紙を書き破つもりで書くべし。良し悪しは専門家の仕事である。武士は力強さだけでいいのだ。」と言って染筆した。