聞書第一 〇〇二三 酒は公界物、打上がり綺麗にしてこそ酒、酒に人の心も見える 原文 一、酒盛りの様子はいかうあるべき事也。心を附けて見るに、大方飲むばかり也。酒と云ふ物は、打上がり綺麗にしてこそ酒にてあれ。氣が附かねばいやしく見ゆる也。大方、ひとの心入、たけだけも見ゆるもの也。公界物也。
聞書第一 〇〇二三 酒は公界物、打上がり綺麗にしてこそ酒、酒に人の心も見える 現代語訳 一、酒盛りの様子は威光あるようにすべきだ。気を付けて見ると、大方は飲むばかりだ。酒と言うものは、綺麗に終わってこその酒である。気を付けなければいやしく見える。大方は、その人の心入れが大体わかる。酒の席は公けの物である。