聞書第一 〇〇一九 四誓願の琢き上げ、武士道 忠 孝 人の爲の本義を會得せよ 原文 一、四誓願の琢き上げは、武士道に於いて後れを取るべからず、これも武勇を天下にあらはすべき事と覺悟すべし。此の事愚見集に委し。主君の御用に立つべし、これを家老の座に直りて諌言し、國を治むべき事と思ふべし。此の事愚見集に委し。孝は忠に附く也。同じ物也。人の爲になるべき事、これをあらゆる人を御用に立つ者に仕なすべしと心得べし。
聞書第一 〇〇一九 四誓願の琢き上げ、武士道 忠 孝 人の爲の本義を會得せよ 現代語訳 一、四請願の磨き上げは、武士道において後れを取ってはならず、これも武勇を天下に示す事であると覚悟しなければならない。(この事は愚見集に委ねる)君主の御用に立つべきだと、これを家老の座に直って諫言して、国を治めねばならない。(この事は愚見集に委ねる)孝行することは、忠義に付く。人の為になると言う事は、あらゆる人を御用に立つ人にする事だと心得るべきである。