聞書第一 〇〇一七 人中で欠伸やくさめをするのは不嗜、出たら知れぬ様にせよ 原文 一、人中にて欠伸仕り候事、不嗜なる事にて候。不圖欠伸出で候時は、額撫で上げ候へば止み申し候。さなくば舌にて唇をねぶり口を開かず、又襟の内袖をかけ、手を當てなどして知れぬ様に仕るべき事に候。くさめも同然にて候。阿呆氣に見え候。此の外にも心を附け嗜むべき事也。
聞書第一 〇〇一七 人中で欠伸やくさめをするのは不嗜、出たら知れぬ様にせよ 現代語訳 一、人中で欠伸をするのは、不作法である。ふと欠伸が出てきた時は、額を撫で上げれば止まる。そうでなければ、舌で唇をなめ口を開かない様にする、または襟の内に袖をかけ、手を当てるなどして分からぬ様にするべきである。くしゃみも同じである。あほに見える。その他にも気を付けて慎むべきである。